【祝】側わん症手術術後10周年

今年の6月で側わん症の手術が術後10年を経過した。最後に検診をしたのが5年前だったので節目だしそろそろ経過をと思い、病院の予約を夏頃から入れていた。幸いコロナウィルスの感染者数も激減したタイミングで東京に向かうことができたのでよかった。

病院も久しぶりだが東京に来るのも久しぶりで、天気がよければ家族で東京に遊びに来る予定であったが生憎の雨模様。息子と夫を残し1人で向かうことになった。つくばから初めて東京方面に出向いたのだが「上野東京ライン」という線があることを初めて知った。まだ見知らぬ路線があったんだなと日暮里の街を眺めながら電車に揺られていた。

東京駅に到着し5年ぶりに病院へ足を運んだのだが久しぶりすぎて道がわからなくなってしまった。道に迷ったので雨の中Googleマップで検索をし、記された方に歩いたのだがさらに道に迷ってしまい焦った。Googleマップの理解よりも自分の記憶の復元のほうが早く、マップを見ても道に迷うだけなのでGoogleマップを閉じ自分の記憶を頼りに病院へ向かった。

予約ギリギリの時間に病院に到着し、検査着に着替えたあとは身長や体重の測定と何枚かのレントゲン撮影をして資料を撮った。その後術後10年経過の人用のアンケートを渡され結構な数の問いに回答していった。「体の痛みで立っていられない」「日常生活のほとんどがうまくできない」「自分の背中の見た目についてどう思うか」などの問いを見て、私は自分の背中のことを本当に何も気にせず過ごすことができていてラッキーなんだなということと感謝の気持ちを感じた。

その後主治医の診察のため部屋に案内された。実はもう先生は退任されたんじゃないかと心配していたのだが、先生は5年経っても何も変わっておらず白髪の長身のスマートな先生のままで安心した。さとみこんこんちゃんと先生は私のことを何故かちゃん付けして呼んでくれ、「何も問題ないね」とレントゲン写真を見ながら経過を見てくれた。先生に「写真撮っても大丈夫ですか?」とレントゲン写真の撮影の許可を伺った。すると「どういう意味だ!」とめっちゃ怖い声で聞き返されGoogleマップを見て道に迷った時かそれ以上に焦った。「以前も自分のレントゲン写真を記録用に撮らせてもらったので、また今回もお願いしたいと思いお尋ねしました...」とドキドキしながら伝えたところ「それなら写真撮ってもよろしいでしょうかだろ!ちゃんとした日本語を使いなさい!」と主治医に叱られた。さっきまで私のことをちゃん付けで読んでくれて和やかな感じだったのにすごい怖い顔で日本語を指摘され悲しい気持ちになったが自分のレントゲンの写真は撮らせてもらった。その後の検診は順調に進み、最後に「5年ぶりですが先生が何もお変わりなく安心しました」と先生にお伝えすると「そんなことはないさ、でもこないだの認知症の検査は100点満点だったよ」と笑顔でお応えになられ、私は安堵と不安を同時に感じたのであった。

なんだかんだ検診が終わったのは2時過ぎで、息子が待っているので早く帰ろうと思いつつも昼を食べずにお腹が空いていたので何か食べて帰ろうと素早く店を物色した。寿司も違うしなんかピンと来る店がないなと東京一早く歩いてるんじゃないかというくらい素早く移動していると段々ラーメンの気分になってきて「よし!ラーメンだ」とラーメン屋を探し出したがなかなか見つからず、東京駅の駅ビルにはきっとラーメン屋がないんだと諦めの念を抱いていたところ某新◯ビルにラーメン屋っぽい店を発見した。ただメニューをよく見るとラーメンではなく創作蕎麦屋の店でたぶんここは違うぞと思いながらも歩き疲れてしまったのでそこで食事をすることにした。

辛味チキンそばという商品を注文し、コの字カウンターに両サイドを透明のボードで仕切られた席に案内された。コの字カウンターはほぼ客で埋まっており、そばを啜って食べる人々の顔が一望できそして私もその一味として加わった。待つこと3、4分で辛味チキン蕎麦が登場し、マスクを外しそばを味わった。一口食べた感想は「美味しくない」であった。そばはラーメン風に太くコシを与えているためアゴが疲れるし粉っぽいし脳がこれは蕎麦じゃないと叫んだ。これで1000円か、富士そばのほうがよかったしわたしゃどん兵衛のが美味しいよと心の中で呟きながら噛みごたえのある蕎麦を一生懸命噛んでいた。やたら盛られたノリは歯にくっつくし啜った時に邪魔だし、味の濃い汁はそばと全然絡まなくて最悪だ。あー最悪だと思っていたらBGMでエイミーワインハウスが流れ出した。エイミーは違う、エイミーは違うだろ、蕎麦屋エイミー・ワインハウスを流すな!と心の中で唱えながら私は蕎麦を啜り、噛んだ。蕎麦をモグモグしながら顔を上げると蕎麦を懸命にモグモグしている人々が一望できた。あなた騙されていると思いませんか?私はラーメンっぽい蕎麦屋にいる人々に問いたかった。

蕎麦を食べ終え昼食をハズした悲しみを抱え私は自宅に帰ることにした。途中夫と子供にお土産をと思い、ホームまでの道のりでお土産を買おうとしたがお土産がありすぎて何を買ったらいいのかわからず判断能力がバグっていく感覚に陥った。結局あんこが好きな夫に「銀座の店のどらやき」電車の好きな息子に「貨物列車の絆創膏とはやぶさの形をした水」自分に「FLOのカヌレ」を買って帰った。

そして電車の中でFLOはイーアスにも入ってたなということを思い出した。(イーアスはつくばにあるショッピングモール)