英語が上達しているという実感

皮膚科が夏休みに入ってしまう前にいつもの薬をもらっておこうと子供と自転車に乗って出かけようとした時、パートに出かける前に制服姿でプランターに水をやるインド人の隣人に遭遇し挨拶をした。「仕事?」「そうそうそっちは買い物?」というやりとりが始まり、皮膚科に行く旨を伝えたところ「子供が汗疹で痒がっているから通っている皮膚科を教えて欲しい」と言われた。なのでひとまず病院の位置や名前などを伝え、後でメールで情報を送るよと言って皮膚科に向かった。皮膚科に到着後、待ち時間の間に隣人にホームページと当日予約のURLと診察日を明記して送信したところ「センキュー!行ってみるね」の返事を受け取りメールのやりとりは終わった。

そうして一晩経って思ったのは「果たして日本語がほとんど話せない隣人がスムーズに病院にかかることができるのか?」ということであった。病院のホームページは日本語だし予約なしで受診した場合めっちゃ時間かかるし、だけど予約ホームも日本語だしそもそも異国の病院にかかるのは不安だよなということを実体験としても得ているので「もしよかったら私も病院に一緒に行きます」という拙い文を1日経ってから送信した。そうして届いた返信は「付き添いよりも予約を取るのが難しいのでそれをお願いするかも」という返事が届き、後日日程が決まったら予約を取る手伝いをする約束をしたのであった。

私は嬉しかった。困っている人を英語で手助けできたことがすごく嬉しかった。一年前の私にはできなかったことだし、英語を手段として日常に生かせている実感ができ「成長」の2文字が私の心の中を舞った。この喜びを是非誰かと共有したい。そう思った私はオンライン英会話講師にこの出来事を報告することにした。

「How's it going?」からだいたい始まるフレーズに「イッツゴーイング」と自信満々に返し「今週私にはサクセスストーリがあります」と報告。マジでゴーイングな私にどんなサクセスストーリがあったのかと講師が尋ねてくれたので、英語で隣人のことを手助けした話をしたところ「それはビクトリーだな。ハイタッチをしよう」と画面越しで我々はハイタッチをして健闘を讃えた。「英語を上達するためにはスキルをつけた上で成功体験を身につけていくことが大切なんだ。その二つを繰り返し得ていくことでどんどん上達できるよ」多分そんなようなことを言いながら講師は右手と左手を交互に重ねて説明をしていた。

こんな風に英語の上達を実感しながらもやればやるほど課題を感じ、3ヶ月で英語が話せるようになる本などは大嘘だということがよくわかった。多分日本に住む私のペースでそこそこスムーズに日常会話ができるようになるためには最低5年はかかるんじゃないかと感じている。英会話をするにはこれだけやっておけば良いということはなく、リスニングもスピーキングも文法も単語も海外ドラマを見たりするのもみんな必要なことで「これだけをやる」というより自分の課題を把握してバランスよくやっていくことが上達に繋がるのではと1年間の英語独学を通して考えている。

またつくばは外国籍の方が多く住んでいて病院などを受診する人も多いと思われるのに英語サイトの乏しさが非常に残念なかんじであることに気がついた。一応市で英語の医療情報サイトを作っているようなのだが、ホーム画面は英語なのに検索ページがなぜか日本語表記になったりで雑すぎて驚いた。基本病院のホームページは英語対応もしていないし皆どうしているのかと気にかかっている。公園で知り合ったインド人のお父さんは1年間の独学で日本語がペラペラだったのだが、なんでそんなにペラペラなのか尋ねたところ「日本で日本語できなかったら死んじゃうからね」と言っていた。その時はヘラヘラ聞いていたが今その言葉の意味を真剣に考えてしまう。