おおきちナイトニッポンナイトに行かないであらいはまナイトに行った話


「!!!?!!」


わたしはしょっちゅう、驚く女である。
今回驚いている訳は、

「おおきちナイトニッポンナイトやります!3月16日です!」


この告知をツイッターで見たためであった。

「おおきち.......ナイト....!」

ハイエナズクラブ、オモコロ、ジモコロ、ヌートンなど幅広く活躍される
おおきちさんの単独イベントが3月16日に開催された。

正直わたしはおおきちさんのことをよく知らない。

「でもハイエナズクラブの先輩だし...。」

念願のハイエナズクラブの採用が決まっていたわたしは悩んだ。

「先輩の単独イベントには行かないといけないよなぁ。。」

誰にでも従順が売りのわたし、もちろん先輩のおおきちさんにも従順でないといけないと思っている。

しかし、

「この日あらいはまさんと会う約束なんだな...」

わたしが所属する情報サイト、『素人の研究社』の優秀ライター
あらいはまさん と名古屋で会う約束をしていた。その翌日は友人に会う約束もあり、楽しい旅になるよう既に段取りが済んでいたのであった。

「おおきちさん、なんで16日にしたんだろう...。」

悩むところではあったが、この日は名古屋から熱いエールを送るということで、おおきちナイトニッポンナイトへの参加は諦めた。


数日後。


「!!?!!!!」


わたしはまた驚いていたのであった。その訳は、

「おおきちナイトニッポンナイトがあるので緊急帰国します。」

素人の研究社社長でもあり、ハイエナズクラブの会長でもあるzukkini氏のツイートを見たからであった。


これは...まずい。

社長までアメリカから緊急来日するっていうのに、いいのだろうか。わたしはいかなくていいのだろうかおおきちナイトニッポンナイトへ!?


連日の驚きからか吐き気までしてきたわたしは、とりあえず確認のため社長にメールをしてみることにした。

「社長。アメリカから一時帰国されるのは事実ですか?」


「嘘です。」

この返答によりあらいはまナイトの続行は決まった。

「よかった!この日あらいはまさんに会う約束をしてるんです。社長が来日したら名古屋行きをどうしたらいいんだと慌ててました。」

「え?あらいはま君に会うの?」

「そうです。」

「いいなぁ!あらいはま君には、挨拶したいなぁ!!」

「(社長....わたしは?)そうですか!ではもしご都合が合えばインターネットを介してあらいはまナイトへご参加ください。」

わかりましたと社長からの返信を受け取り、詳しいことはまた後日ということで話は終了した。
 

つまり、

〜あらいはまナイト2018 スペシャルゲスト zukkini〜     (主催さとみこんこん)

が開催されることになったのであった。

うーんワンダフル....!

いーじゃんいーじゃん、豪華じゃん!
あははこのイベント金とれんじゃないか?!?!

うーん緊張してきたぞ!

3月16日が待ち遠しかった。

ここで突然ではありますが、わたしとあらいはまさんの関係を簡単に説明します。

我々は、情報サイト『素人の研究社』の「同期」である。
ドタバタ暴れるように自薦で入社したわたしとは異なり、
あらいはまさんは社長のスカウトによりスマートに入社をしていた。

わたしは自薦コンプレックスがあり、スカウトの人が羨ましくてしょうがなかった。
社長の御眼鏡にかなって入社なんてかっこいいではないか。だからスカウトのあらいはまさんのことを

「犬のチーズケーキの奴に、絶対負けない。」

と言ってライバル視していたのであった。

入社時のわたしは尖っていたため、あらいはまさんのことを影で犬のチーズケーキと呼んでいた。あらいはまさんのツイッターのアイコンが犬がチーズケーキを頭に乗せて喜んでいるように見えたから、犬のチーズケーキだ。(本当はドクロがカステラを考えている絵だそうです。)


そしてデビュー作が発表されるのもほぼ同時で、たしか若干彼の作品の方が提出が早かったため、先に彼の記事がアップされた。
彼のデビュー作は建設工事現場の角のパネルの調査であった。その名も角ディスプレイ!

「すごい、角ディスプレイ.....」
「やるじゃん、犬のチーズケーキ...」

ちなみにわたしは自転車に設置された雑巾のことを調べて発表した。

デビュー作から実力の差は浮き彫りになっていたが、
それでも無知で考えが青かったわたしは1作読んでも自分はまだ戦うんだ!と意気込んでいたのであった。2作目をどうしようかと手こずっていた時、彼の2作目がアップされるという情報がグループチャットに入った。

「コンビニのコピー機の間違い探し?」
「え?あとどこ間違ってんだ?」

わたしはコピー機の間違い探しの調査記事に夢中になっていた。

「犬のチーズケーキ。文章も面白いけど、まず視点が違う...負けるもんか。」

大変馬鹿野郎なわたしはまだ同じ土俵にも立てていないことにも気づかず、けれど気合いだけは十分であった。

しかし彼の3作目の路上の補修面の記事で、最後に落書きコーナーを載せたことに愕然し、やっぱりスカウトの奴はすげぇとようやっと実力の差を受け止めることができたのであった。

それからというもの、わたしはあらいはまさんを「心の同期」だと思っている。有能な奴とは友達でいたい。わたしのマインドはジャイアンスネ夫、それでいいのだ。

そして「心の同期」には一度ご挨拶を。と思いあらいはまさんにコンタクトをとって、あらいはまナイト開催へと繋がった次第である。

あらいはまナイト開催前日。

明日はあらいはまナイトだ。彼はどんな人だろう。
同じ研究社ではあるが、社の人たちの顔を全員しらない。
もちろん心の同期あらいはまさんの顔も知らなかった。
文章から想像すると髪はロン毛で、痩せてて、絶対偏食。

心の同期は亀川千代

わたしがぼんやり亀川千代を想像していると、あらいはまさんが

「待ち合わせですぐわかるよう、どういう風貌かを先に伝えておきますね。僕は3ミリくらいの坊主に眼鏡をかけて全身黒の服装です。」

と連絡をくれた。  

3ミリ坊主?亀川千代じゃない。
眼鏡の坊主で全身黒って...ウシジマくんじゃないの!
少々戸惑いながら、了解しました。わたしは茶髪のロン毛です。と返信をした。

「待ち合わせの15分くらい前は職場のパソコンでDMのやりとりができるんですけど、
ガラケーなんで直前の待ち合わせはショートメールか通話になると思うんでよろしくお願いします。」


眼鏡のボーズで全身黒、さらにガラケーってますますウシジマくんに寄ってきたではないか...

どうしよう。
あらいはまナイトのエンディングは「さとみこんこん、栄の風俗に沈められる」とかそんなオチがまっていたら.....

「了解しました!ところであらいはまさん、うさぎ飼ってます?」

わたしは彼がウシジマくんでないことを祈った。


当日。
名古屋に到着したわたしは、ホテルに荷物を置いてから、全く土地勘のない名古屋駅をうろうろしていた。
するとJRゲートタワーというはっきり名前の書いてある建物があったので、その建物に隣接するコスメキッチン前で待つことにした。
わたしはDMでJRゲートタワーのコスメキッチン前で待っていることを送信し、あらいはまさんからはオーケーの返信が届いた。

コスメキッチンで物色をし、5分前にはすぐにわかってもらえるよう表の出口の前に立って待っていた。

(店の前に立ってる人はわたしだけだから、ここに立っていればあらいはまさん、すぐわかるよね。)

わたしは落ち着きなくキョロキョロあたりを見回し、ウシジマくんっぽい人を探した。

そして約束の6時を少し過ぎた頃、全身黒のボーズを発見した。
全身黒でボーズのウシジマスタイルはJRゲートタワーの地図を真剣に眺めていた。

(あれ?あの人かな。)

わたしが立っているところから5メートル先くらいにウシジマスタイルの男が立っていたが、地図から目を離すと彼は上りのエスカレーターに乗って、見えなくなった。

(あ、違う人か。)


数分後。

ウシジマスタイルの人がコスメキッチンから出てきて、店の出口を左に曲がってどこかに消えた。


(あれ?あの人さっき地図見てた人だよね。え?あれじゃないの?なんで店まで来てくれてるのに会えないのだろう...)

次目の前を通過した時には絶対声をかけよう。あれは...あらいはまさんだ。

コスメキッチンの店の前で待ち構えていると、また先ほどのウシジマスタイルの男が早歩きでわたしの前を素通りしていった。そしてピタッと立ち止まりガラケーをだして電話をかけ始めたのだった。

わたしはすでに見つけていたが、一応電話に出て、もしもしといいながらウシジマスタイルの男に近づいた。

「あ!はじめまして。」

お互い、やっとあえたー!の雰囲気だったが、わたしがあらいはまさんを随分前から見つめていたことは黙っておくことにした。

「すみません、こっちの方来なくて、場所がよくわかりませんでした。」

そう言ってあらいはまさんは、穏やかに笑った。

(よかった。あらいはまさん優しそうな人で。たぶん栄の風俗に沈めるようなことはしないだろう。)
あらいはまさんの穏やかな笑顔にわたしは安堵した。

「いえこちらこそすみません。もっとわかりやすい場所で待ち合わせすればよかったですね。
あらいはまさん、あの、わたしすごいお腹がすきました!」

ホッとしたせいかお腹がすいてしまった。
じゃあ早く店に向かいましょうということで、我々は名古屋の街へと繰り出した。

いつかサイトのメンバーと鳥貴族に行くことを夢見ているわたしは、もし行き先が決まっていなければ、あらいはまさんに焼き鳥を食べに行くことを提案しようと思っていた。

「あの、あらいはまさんって苦手な食べ物はありますか?」

「肉っすね。」

鳥貴族の夢は秒速で散った。

「お肉苦手なんですね。。」

「魚は好きなんですけどね。」

「じゃあ魚食べましょう。」

「俺、ほとんど外で食べることがないから、店よく知らないんですよね。」

「あらいはまさん偏食ですか?」

「偏食ですね。パンばっかり食べてます。」

やはりあらいはまさんは偏食だった。

しばし歩いて、我々は魚が強調された看板の店へと入った。
小綺麗なカウンターに案内され、メニューを見た。

美味しそうな名前の料理が縦書きでずらりと並んでいるが、
偏食のあらいはまさんは何を食べるのはかよくわからない。
なので、
「わたし、この白海老のかき揚げが食べたいです!」と自分の食べたいものを1つだけ言って、あとはあらいはまさんに選んでもらった。

「えーっと。」

メニューをじっと眺めるあらいはまさんをわたしはじっと見ていた。

(あらいはまさん、何選ぶんだろう。)

あらいはまさんがお店の人にすみません、と声をかけ、
えっと?とわたしの方を見てきたので、

「生ビールと白海老のかき揚げ下さい。」

と自分の食べたいものを注文をした。

「えーっと、牡蠣のバターソテーと、カツオのサラダと、白魚の天ぷらください!」

え?似たような揚げ物を2種類?揚げ物好きなのかな。やっぱり偏食だな。

料理がくるまで、我々は雑談をしていた。
好きな漫画の話になったときに、わたしがここ最近1番笑った漫画、ポテチ光秀氏の話をした。

「ポテチさんの食べる前に死んじゃうマンガ、あれがすっごい好きで、こんな面白いマンガ一人で楽しんじゃだめだ!と思って不特定多数の10人にマンガを送ってあげたんですよ。そしたら5人にシカトされ、3人に人格を疑われ、2人は面白いけど不特定多数に送るあんたはどうかと思うと言われました。」

「えー!俺も!最近のポテチさんのマンガで泣きました!どうした!?ってマンガです。俺、なんでこんなに泣くほど面白いのかな?って思って面白さを言語化してみたんです!」

「ポテチさんのマンガの面白さを言語化?教えてほしい!!」

などとポテチ光秀氏について盛り上がっていると

「お待たせしました。」
といって店員さんが料理を運んできたのだった。

カウンターに、エビのかき揚げが置かれ、そのあと牡蠣のバターソテー、サラダ、 

「白魚の天ぷらは抹茶塩か、あちらにある岩塩でお召し上がりください。」

と店員さんは言って、白魚の天ぷらが最後に置かれた。すると、

「あれ!?なんか似たような食べ物が2つきましたね!!」

「.....。」

バカかよ....

偏食だから似たものを頼んでいたわけではなかったようだ。
山のように積み上がった白魚の天ぷら、海老のかき揚げは贅沢にも2つ並んで我々の前に鎮座していた。

賑やかになった机を囲んで我々は乾杯をした。あらいはまさんはオレンジジュースを飲んでいた。

「酒は乾杯程度しか飲まないんです。」

酒好きのわたしとは正反対で、彼はお酒が弱いのか、ほとんど飲まないらしい。

飲酒に関しては合わないが、心の同期あらいはまさんとは、ポテチの件といい、なかなか共通点があった。

まず素人の研究社(以下シロケン)の調査で使用しているカメラが全く同じものであった。
そして、同じうさぎ年であった。
そして、どちらもふかわりょうが好きであった。

「えー!わたしもふかわりょうが好きで、ロケットマンの10周年記念ライブに行きました!三宿のWebのロケットマンデラックスにもちょこちょこ行ってましたよ!」

「俺はロケットマンショー(ふかわりょうのラジオです。)をよく聞いてて、ハガキ職人をやってましたね。あの人がなんであんなに虐げられるのかよくわからない!」

「おおきちさんもロケットマンショーの熱心なリスナーだったらしいんです。俺、ラジオネーム教えてもらったんですよ。そしたら面白いからよく投稿を紹介されていた名前で!あの人おおきちさんだったのか!って思いました。
おおきちさんは本当に面白いけど、そういうところを見せないところがすごいですよね。」

あらいはまナイトでは、おおきちさんの素晴らしさを讃え名古屋からエールを送っておりました。届いていたでしょうか、おおきちさん!

「おおきちさんもリスナーだったんですか!あ、あらいはまさん、フニオチ鍋パーティー(ふかわりょう主催の鍋パーティー)は行きましたか?」

「行きました!俺2〜3回行きました!」

「わたしも行ってました!2012年くらいの会かな。もしかしたら、あらいはまさんも、おおきちさんも、同じフニオチで会っていたかもしれませんね。」

フニオチ仲間、ラジオリスナーと同期になり、後輩になった。そしてそんなふかわ育ちのふかわチルドレンは、zukkiniと名乗る男のサイトで活躍をしている。不思議だ。

「そうそう、今日あらいはまナイトをするってzukkiniさんに言ったら、あらいはまさんと挨拶したいなぁ。と言っていたのであらいはまナイトに誘いました。」

「zukkiniさん?!ほんと?小見出しについて聞いてみたいな。」
「ところでさ、zukkiniさんって何者なの?」

「え...。わかりません。」

「なんでさぁ、アメリカにいるの?」

「え...外資系の人なんじゃないですか?」

我々は、我が社の社長のことをよく知らない。よく知らない人の下で働いている。

「あらいはまさん、ところで小見出しって?」

「今度のシロケンの記事で小見出しを使いたいんだよね。シロケンってあんまり小見出しを使っているイメージがないから...zukkiniさんに小見出しについての意見を聞きたいな。」

なんかよくわからないけど、あらいはまさんの新しい記事が楽しみだなと思った。

そんなあらいはまさんの小見出し記事はこちらです→ http://shirouto-kenkyu.com/?p=1396

この時間だったら通話できる。という社長との約束の時刻がきたので、あらいはまナイトの目玉企画、

『アメリカからこんにちは、zukkini社長!』
のコーナーに移ることにし、わたしは電話をかけた。


プルルルル....

「もしもし?」

社長...?
当たり前だが、電話の向こうから男性の声がする。ドキドキする!わたしの社長のイメージは、
社長=目つきの悪い黒いうさぎ  だから!(ツイッターのアイコンの情報しか社長のイメージがないため。)


「社、社長ですか?」

「はい、そうです。」

「....今あらいはまさんに変わります。」

うさぎじゃないじゃないのー!男の声!イヤラシイ!!!緊張して足早に電話を変わった。

「もしもし!zukkiniさんですか!はじめまして。あの、小見出しについてなんですけど!」

あらいはまさんは、宣言通りがっつり小見出しについて語っているようであった。

小見出しについての見解を語り終わったようで、また電話がわたしに戻ってきた。

「社長、あの。。。えっと。」

「はい。」

「あの...」

「はい。」

「あの...わたしは、何も聞きたいことがありません!!」

「...はい。」

終了〜

わたしと社長との会話は以上で終了した。
次に、せっかくなのでスピーカーモードに切り替えて、3人で話してみることを試みた。

「もしもし!」

「.........。」

店内がザワザワしているせいか、社長の声は何も聞こえない。

「も.....し..」

いや、微かに聞こえる。

我々は机にへばりつき、初めて携帯をみた人類のように社長の声のする方へと耳を傾けては、おーい!おーい!と微かに聞こえる声の方へと呼びかけた。
しかし、スピーカーモードでは全くコミニュケーションがとれず、3人の通話はおーい!の呼びかけで終了した。

「社長、3人で喋るのは限界があるようでした。やっぱり直接お会いして話さないと。ということで早く日本に帰ってきてくださいね!」

こうして目玉企画

『アメリカからこんにちは、zukkini社長!』のコーナーは幕を閉じた。

社長、お忙しい中ありがとうございました。

目玉企画が終了したあと、我々は店を出ることにした。

もう一軒いきましょうか。ということで、名古屋の街を再び歩き出した。

「俺、いい物もってるんですよ!」

そういって取り出したのはたまごっちくらいの大きさのハンディGPSだった。

「これすごく良いですよ!歩いた経路に線が出るんですよ!シロケンの調査をする時にも何度も同じ道を通らなくて済むから便利ですよ!」

「(住んでいる町で同じ道を何回も通ることある?)へぇ!そうですか!」

「しかもこれ、通ったあとの線で鳥の絵とかかけるんですよ!」

「へぇ。鳥の絵。すごーい」

熱心にGPSのことを語るあらいはまさんの横で、わたしは名古屋の夜さみーな、と思っていた。

(すごい寒い...あらいはまさん早くどっか入ってくれないかな。)

「あらいはまさん、わたしコンビニのイートインスペースでもいいですよ?」

「流石にイートインスペースは案内できません!」

じゃあさっさとどっかに入ってくれよと思いながら、あらいはまさんの後をついて歩いた。

「あらいはまさん、わたし、お酒じゃなくてあったかいココアでもいいかも!」

選択肢を広げて早くどこかに入ってもらえるようにした。

しばらく歩いて名古屋駅前に到着した。名古屋駅前では、口からゲロのでたサラリーマンのおっさんにあらいはまさんが突撃されそうになったりしていた。

「今の人見ました?ゲロでてましたよね。やばいっすね。やっぱ人が1番面白いですよね〜人の調査が1番やりたいな。」

あらいはまさんは楽しそうだったが、わたしはずっと寒いからどっか入ってくれと思っていた。

5分後。

我々はまだ外を歩いていた。あらいはまさんはGPSを見ている。一体どこに向かっているのか。

「あらいはまさん、言っていいですか?わたし寒い。」

「そうですよね!今日は寒いっすよね。」

一刻もはやくどこかへ入ってくれ。

数分後。

さっき入った店の前に到着した。

「!!!?!!」

わたしは大変驚いた。

あらいはまさん、GPS見てたよな。

え?もしかして鳥の絵描いてた?

「あらいはまさん、これ、さっき入った店。」

「わ!ほんとですね!」

犬の....チーズケーキめ

「じゃあ、今度はあっち行ってみましょう!」

ずっと見ているそのGPSよこせと思いながらも、わたしは引き続きあらいはまさんについて行った。誰にでも従順、それがわたしである。

数分歩くと、小料理屋がでてきた。

「ここでいいですか?」

「いいです、いいです!」

寒さでカタカタ震えるわたしとあらいはまさんは小料理屋へと入った。午後の11:00くらいだったと思う。

(寒い...お湯割りを頼もう。)

「わたし、麦のお湯割りにします。」

「そういえば、俺今日乾杯してなかったですね。カシスウーロンにしようかな。」

「え?あらいはまさん、ソフトドリンクでもいいですよ?お酒弱いんですよね?」

「いや、本当は飲めるんですよ。むしろ強いと思います。俺、飲みすぎると、

死にたくなっちゃうんですよ!」


「!!!?!!」

「飲むなーーーーーーーー!」

わたしは叫んだ。

「あらいはまさん、やめて。や、め、て!」

「カシスウーロンなんて、飲んだうちに入らないですよ〜。」

いよいよもって、こいつ大丈夫かよ?と心配し始めるわたしの横で、あらいはまさんはニコニコしていた。
今日初めて出会ってから、あらいはまさんはずっと穏やかな笑顔である。


しばらくすると、早くわたしを温めてほしい麦のお湯割りと、心配でたまらないカシスウーロンがテーブルに置かれた。

そして我々は乾杯をした。

「あの。」

と言ってあらいはまさんがポケットから小さく畳まれた紙を取り出して、机の上に広げた。
A4サイズの3分の2くらいまで、なにやらびっしり書かれている。

「話すことなくなっちゃうかもしれないな。と思って、小話を用意してきました。」

.....?

よく見ると、
藤子不二雄を知らない親戚   小松菜奈の全クリ   カーブミラーを見ていた所ジョージ
等タイトルが羅列されていた。たぶん、50はタイトルがあった。


「!!!?!!」


わたしは状況を理解した。


あらいはまナイトはまだ始まっていなかったのだ。


あらいはまナイトは...これからだ!!


「あらいはまさん、紙、貸してください。」

はい。と手渡されたネタの詰まった用紙をみた。

「.....あの、このポテチ光秀って?」

「あ、これさっき話しましたね。貸してください。」

と言ってわたしから紙を奪い、

あらいはまさんはポテチ光秀の字にボールペンで二重線を引いた。

(あ.....!わたしあらいはまさんが考えてきたポテチネタ、喋っちゃったんだ...)

そしてまた「はい。」とネタ帳がわたしの手元に戻ってきた。
二重線を引かれてしまったポテチ光秀に、わたしはごめん。と謝った。

それから、まずわたしが気になるタイトルを指差して

「あらいはまさん、これ!」

「あらいはまさん、次はこれ!」

と、ランダムに小話を聞かせてもらった。

話の長さは小話によって様々で、

小松菜奈の全クリの話は

小松菜奈は海外でも活躍してるし、可愛いし、演技もできるし、モデルもやってるし、世の中全クリしてるなって思った。」

で終了した。

え?それで?みたいな話からハハハっと笑える話まで、小話はバラエティーに富んでいた。

最初はランダム指差し方式で話が進んでいたのだが、

そのうちわたしが(飽きてきて)

「最近、わたしオモコロに時々でてくる大喜利に挑戦してるんですよ!」

とあらいはまナイトの進行を妨害し始めたので、あらいはまさんからネタ帳を取り上げられてしまった。

ちなみにこの時にあらいはまさんが、

大喜利にはコツがあるんだよ。」

大喜利のコツを教えてくれたのだが、
マジでなにを言っていたのかわからなかったので割愛したい。

取り上げられたネタ帳は、あらいはまさんが、頭から順にネタを読み上げるしらみつぶし方式に変わり、

わたしは、うん、うん、と聞いていた。

午前の12:30

ネタはまだ半分は残っており、

あらいはまさんの小話は続いていた。

(これ、全部話すまで帰れません。的なかんじなの?)


話していた小話が終わって、じゃあ次の話。と、話を続けようとするあらいはまさんを見つめて、わたしは呼びかけた。


「あらいはまさん.....。

帰ろう。」

あらいはまさんは穏やかに笑って、A4サイズの紙を畳んでポケットにしまった。

こうして、

〜あらいはまナイト2018 スペシャルゲスト zukkini〜     (主催さとみこんこん)

のイベントは終了した。

わたしはあらいはまナイトの終盤で栄に沈められることもなく、楽しかったあの日を今こうしてブログに綴っている。



✳︎✳︎✳︎

最後にこの場を借りてメッセージを送りたい。

まず、おおきちさん!

おおきちさん、はじめましてハイエナズクラブ後輩のさとみこんこんです。先日はおおきちナイトニッポンナイト行けなくてとても残念でした。また次回を楽しみにしています!

あらいはまナイトのこの日、あらいはまさんがおおきちさんのはてなブログのフォローを実はしていないと言ってました。
本当はしたいけど、「読者になりました」の通知がいって、こいつ俺のことフォローしてなかったの?と思われたくないからフォローができないと悩んでました。
なので、「わたしがおおきちさんに言ってあげるから!」と心の同期と約束したので、この場を借りて言わせていただきました!
あらいはまさん、そのうちおおきちさんの読者になると思いますが、どうぞお気を悪くされないでください。というか、見てますか?最後までこのブログ読んでくれましたかね?10000字のこのブログ読んでくれましたか?今後ともよろしくお願いします。




あらいはまさん!

先日はありがとうございました。楽しかったです!
今年のフニオチ鍋パーティーは、是非参加しましょう。

あと、最後に1つ教えてほしいことがあります。

大喜利のコツ、わかるようにもう一回説明していただけますか?





zukkini社長!

先日はありがとうございました!


社長....


あの....



特に話したいことはありません。