掟ポルシェ×爪切男 トークイベントに行けなかった話

先日、掟ポルシェ氏と爪切男氏のトークショーがあった。わたしはこのトークショーを非常に楽しみにしていて早々とチケットを入手したのだったが、残念なことに流行遅れのインフルエンザにかかってしまい、泣く泣くイベントを諦めたのであった。
しかしこのトークショー「仕事に前向きになれない人に元気を与える」をコンセプトにしていたので、案外インフルエンザウィルスの持ち込みはウエルカムなんじゃ...と最低な考えを抱いた日もあったのだが、購入したチケットはツイッターで行きたいと名乗りでてくれた人にプレゼントをさせてもらい、自身は大人しく家で療養したのであった。

こんなに行きたかったアピールをするのだから、よっぽどファンなんだろうと思われるかもしれないが、実際のところわたしはどちらのこともよく知らないというのが本音である。
掟ポルシェ氏は、三宿にあるwebのイベントによく出てたなぁというイメージしかなかった。わたしはちょこちょこ三宿のwebに遊びに行っていたのだが、掟ポルシェ氏の出演しているイベントには一度も行ったことはなかった。ただ、掟ポルシェという名前だけは印象深かった。
しかし今年に入って、坂本慎太郎ファン仲間であるカシューナッツちゃんという友人が、

「以前、掟ポルシェのイベントに行ったら掟ポルシェがベロベロに舐めたちくわを口に突っ込まれて、さらに走って追いかけられた!」

という胸騒ぎのするエピソードを語っていて、掟ポルシェ氏に少し興味を持ち始めたところだった。

爪切男氏はツイッターで多くの人がイイネイイネ言っていたのでなんか気になるなぁと感じる程度であったのだが、出版された本「冷たい夜にかぎって」のポテチ光秀氏の装丁が好みだったので、その本をジャケ買いしたのであった。
購入した本を読んでみると、何人かのキーパーソンの女性陣が出てくるのだが、その中で1番多く語られていた「アスカ」に私は親近感を抱いた。

そう。爪切男氏というよりもアスカに通ずるものを感じ、イベントに行ってみたいと思ったのであった。

その通ずるものというのが「唾」である。

アスカは唾マニア達に自分の「唾」を売ってなかなかの収入を得ていたそうなのだが、わたしも「唾」で収入を得ている1人なのである。それだけで収入を得ている訳ではないが、仕事の一環として唾の判定をする仕事を任されている。唾の判定をしてこの道10年になる唾師である。

簡単に仕事内容を説明すると、専用のガムを噛んで唾がでたら試験管に入れてもらい、その溜まった唾をみて「あなたの唾はこうです。」と唾分析をする仕事をしている。
唾師として1番華やかだった仕事は、雑誌の連載で女優さんたちの唾の分析をするという仕事であった。1年くらいやっていた。
「あなたすごい仕事してるのね。」
と、決して尊敬ではない哀れみの言葉をかけられながらも

「めっちゃいい唾してます!」

「こんなに唾出る人みたことがない!」

「すごく質のいい唾されてますよ!」

と唾ヨイショしまくった結果

「わたしのチャームポイントは今度から唾にします。」

と唾に自信を持ってくれた女優さんもいて、この時の体験はわたしも唾師として自信を持つことができた大変ありがたいお仕事であった。

そんな唾でご飯を食べてる人間が自分以外にいるとは思いもよらず、
アスカの存在を知った時には大変驚いた。
もうアスカは唾売りから足を洗っているようなのだが、唾を欲しがる人間と、唾を売る人間がいて、そこでビジネスが生まれている事実を知ったことはわたしにとって重要であった。
唾師一本でも働けるということがわかったからである。
路上で唾の売買をする人間を見つけてその唾に付加価値をつけてあげるのだ。「この唾めっちゃフレッシュですよ。」とか言ったりして。きっとわたしは今よりいい家に住めるようになるであろう。

そんな妄想を抱き、参加したかった今回のイベント。
通ずるものを感じてイベントに参加しようと思ったのだが、結局通ずるものがなかったのか、インフルエンザに感染し参加できなくなったのであった。非常に残念である。

しかし、チャンスは続くもので4月11日に今度は爪切男氏とポテチ光秀氏がトークイベントをすると言ってるではありませんか。今度こそ参加して、「わたしは唾師。」という胸の内を爪切男氏に伝えてみようと思う。もっと理想的なのは、この日アスカに会うことができて、「一緒に唾で生計を立てませんか」と申し出られれば最高である。

そしていつになるかわからないが、掟ポルシェ氏にも、「掟さんの唾を分析するので、ベロベロになめたちくわにもっと付加価値をつけましょうよ。」
と唾師としてオファーをしてみたいと、妄想するわたしなのであった。