ギターを買いに行った話

これは5年くらい前の話である。


ギターが弾きたい!
クラシックギターでハウスミュージックを奏でたいなぁ!
と思って訪れた先は下倉楽器御茶ノ水店だった。

ギターを弾いた経験もなく、ギターの相談をする相手もいなかったため
右も左もわからないまま下倉楽器にやってきた。
下倉楽器を選んだ理由も特にないのだが、吹奏楽部だった中学生時代に、下倉楽器さんにはお世話になってたよなぁ。という印象があったので、下倉楽器に来てみたのであった。

しかも自分のイメージしている音色が果たしてクラシックギターなのかもよくわかっていなかった。その当時弾きたい音楽のイメージはStudio Apartmentだった。

何はともあれ、思い立ったら吉日!見切り発車上等!多動力こそ最も重要なスキル!(ってホリエモンが言ってた。)
そんな思考回路で生きてる人間なものですから、
クラシックでもアコースティックでもなんでもいいからとにかく始めてみよう!という気持ちで下倉楽器にやってきたのであった。

下倉楽器にはたくさんのギターが並んでおり、デザインや配色を見ているだけでも楽しい気分になった。
さてさてお目当てのクラシックギターを購入するために、まずは下倉楽器の店員さんに事情を説明し、相談に乗ってもらった。
店員さんは、はいはいとわたしの話を聞いて
「じゃあ、ちょっとクラシックギターを弾いてみましょうか。」
クラシックギターを持ってきてくれたのだった。
まずわたしが驚いたことは、
思っていたよりもクラシックギターは大きい。ということだった。これを持ち運びするのはなかなか根性がいるなぁと思ったのが第一印象。


そして下倉楽器のお兄さんの丁寧な指導の元、念願のクラシックギターを奏でます。
思っていたより弦を押さえる指が痛くて、このままだと指から血が出ちゃうよ!と心がポキポキと折れ始めました。

これ...わたしに弾けるかな...とやる気が7割減くらいしていた時、追い討ちをかけるように雨がざーざーと降ってきました。
これ...雨の中持って帰るの大変そうだなぁ。やる気が9.5割減に差し掛かった時にわたしは見つけたのです。
クラシックギターの8分の1くらいの大きさで、
コロンとした形のウクレレを。
え?これいいじゃん。決めたこれ買いまーす!


お兄さんは目を見開いていた。
けれど、そこはプロなのですぐに表情を戻し、女性はウクレレの方が弦も柔らかいし弾きやすいしいいかもしれませんねと言って話を合わせてくれた。
さらにお兄さんはわたしに、軽快にウクレレを弾いて見せてくれた。ポロンポロンという音色が可愛らしいウクレレ。お兄さん上手〜!
外は雨だが気分はアロハ。やる気は8割回復した!
Studio Apartmentの要素は0。当初の目的は何も達成していないが、わたしはすっかりウクレレが気に入って、雨の中我が子を抱くかのようにしてウクレレを大切に持ち帰った。


そしてyoutubeを見てウクレレを練習する日々が始まったのである。




つづく