引っ越すその1

仕事に復職し子供を保育園に預ける予定だったため引越し先は今住んでいる中野圏内であることが条件だったのだが、仕事を辞めて子供が保育園に行かなくなった今、我が家族はその縛りから解き放たれた。夫もほぼ在宅勤務になったため引越し先の選択肢がかなり広がり、私はつくばに住むことに憧れを抱くようになった。以下つくばへの熱い想いを綴ったブログ↓

satomiconcon.hatenablog.jp

 

思い立ったら行動に移すフットワークが軽いタイプなので、先日、つくばに物件を探しに行った。

まずはUR賃貸に目を付けた。URは行政が古い団地を小綺麗にして貸し出していて仲介手数料や更新費がないとのことで、広い部屋をお得に借りれるのかなと期待をしていた。また私は古い建物が好きなので築年数も気にならないし、団地も好きだし、もし団地に住んだらつくばの団地妻と名乗れるのも悪くないなと考えていた。

都心には数少ないUR物件だが、つくばには選べるだけの物件数があった。来店日、あらかじめインターネットで目星をつけておいた物件をこれこれと提示して4件ほどの物件を見に行くことになった。

「タクシーで回ります」とのことでURの店員さんとタクシーで物件を巡ることになったのだが、なぜか店員はタクシーを2台呼び、1台に店員さん、2台目に私と夫と1歳の子供が乗るよう指示をした。どう考えても1台無駄だと思う。我々の乗ったタクシー運転手も「あの人なんで2台呼んでんですか」というようなこと言っていた。結局最後までなんでタクシーを2台呼んだのかわからなかった。店員さんが別のタクシーに乗ってしまったので、我々はタクシーの運転手につくばの街事情を色々聞いた。車を持つ予定も乗る予定もしばらくないことを告げると、だったらこのエリアは不便とか、このエリアは駅から遠くても高速バスが出てるから都心に出やすいなどアドバイスをくれた。実際につくばにきてみるとGoogleマップで見ていた距離感とはだいぶ異なり、道は広くでかいし規模感がまるで違かった。タクシー運転手が「車ないの?こっちの人は何をするにも車だよ」と言っていたのだけど確かに車がある方がいいだろうとは思っている。だけど私は免許を持っていないので免許をとるところから頑張らないといけない。夫は免許は持っているが「絶対に事故を起こす自信があるから車には絶対乗らない」というポリシーを持って生きているのでその意を尊重したいと思っている。私も事故を起こしそうなタイプで不安はあるが子供と一緒につくばわんわんランドへ車で行きたいので、免許をとって安全第一で頑張っていきたいと思う。ところが「茨城は一般道を80キロで走っていないと煽られる」「黄色信号になったらダッシュしないと(茨城ダッシュという)煽られる」らしく(タクシーの運転手さん情報)安全に走っているとむしろ事故に遭う可能性が浮上。果たして私は無事に免許を取得し茨城県民の洗礼を受けながら家族を無傷でつくばわんわんランドへ連れていくことができるのだろうか。今後の私の活躍を皆さんにも見守っていてほしい。

タクシーの運転手さんはつくばの街事情の他、UR物件事情も詳しく教えてくれた。UR物件はエアコンがついていない物件が多いそうで、その手配も引越しの時にしないといけないことや退去の際はエアコンを撤去する必要があることを教えてくれた。「入るときに安いと思ってもエアコンの購入や工事、インターネットの回線の手続きなどがあって結局高くつくってこともあるみたい」とアドバイスをしてくれた。仲介手数料更新費がなくてお得!かと思いきやそうではない可能性があること、つくばは道も広くて車の運転がしやすい!とばかり思っていたが茨城ダッシュなどという荒ワザが飛び出すことなど、インターネットの情報だけではわかり得なかったことが地域住民の声から判明し、現場に足を運ぶ意義を感じたのだった。

 店員を乗せたタクシーを追いながら希望のUR物件に到着。the団地と言わんばかりのUR賃貸の風貌に団地妻に憧れる私は魅了された。殺風景な階段を3階ほど上がって内見する部屋に向かう途中「新聞配達の方いつもご苦労様です。新聞はこちらにお願いします」などと書かれたボックスを目撃し、近隣住民の人の良さが垣間見え好感が持てた。

内見した部屋は今住んでいる中野の部屋の2倍は広いし良かったのだが、靴箱が見当たらなかった。店員に尋ねると靴箱、エアコンの設置は自分で行うようにとのことであった。タクシーの運転手から退出時は撤去しないといけないと聞いたことを伝えると、やはり「そう」とのことであった。エアコンも靴箱も撤去、もしウォシュレットをつけたらそれも撤去して退去する必要があることを説明された。「次の人も靴箱やウォシュレットがあった方が嬉しくないですか?」と店員に言ったところ「そういう問題ではない」と返答された。じゃあどういう問題なんだろうと思ったがタクシーを2台呼んだこと同様、深くは追求しなかった。

茨城に慣れるかまだわからないし、環境が自分には合っていないと思えばまた東京に戻ろうと思っているので、長居をする確定もないのにエアコン靴箱問題は重荷だった。その後も希望のUR物件を内見したのだが、物件は良くても例の条件が気になり返事は保留ということにした。全ての内見が終わりタクシーのメーターを見ると9800円だった。つまり今回の内見で19600円の経費がかかった訳である。経費を削減して靴箱買ったらどうですかと言いたかったが、きっとそういう問題ではないんだろうなと思った。

せっかく茨城まで来たので、民間の不動産会社にもよることにした。 近くにエイブルアパマンショップがあったのだが、エイブルはなんか嫌いだったのでアパマンショップに行くことにした。しかし到着するとアパマンは休業だったため、渋々エイブルに向かうことにした。

エイブルに到着し、カウンターに腰をかけるとマスクをつけたお姉さんが対応してくれた。お姉さんは茶髪の長髪を一つに結わき、茶色いカラコンをして、軟骨には複数の小さい球体のピアスがついていた。ギャルだった。歳は私より少し上か同じくらいだろうけどギャルと言っていいだろう。長い髪もピアスも茶色いメイクとコンタクトもよく似合っていて、根がギャルの私は好感が持てた。さっきまでエイブルはなんか嫌いと嘆いていたのに、もうすっかりお姉さんとエイブルのファンになっていた。

小さい子連れで車を持っていない我々にあった物件をお姉さんはテキパキと選んでくれた。タクシーの運転手さんからおすすめされなかったエリアも、実はバスの本数が多くて割とアクセスがいいですよとか、このエリアに私も住んでるけど小さい八百屋があって安くて新鮮ですよなどお姉さん目線でアドバイスをくれた。

しかも紹介してくれた物件の半数は更新費がかからなかった。そのことは更新費に絶大な不審を抱いてる私からすると気分が良かったし、更新費がない物件が多数あるならURに絞って探す必要はなかったなと思った。お姉さんにURを内見してきた話をすると「URって網戸ついてないですよね?」と盲点を指摘された。まさか網戸までないとは思いもしなかったので「え?網戸もないんですか?」と驚くと「え?え?わかんない!わかんないわかんない!あれ網戸は違かったかな?」とお姉さんは篠原涼子みたいな口調で軽いパニックを起こしていた。真相は不明だがUR賃貸には網戸もないようです。

もうすっかり夕方になりさっさと帰りたかったので、お姉さんがピックアップしてくれた物件の中から気になる物件を一か所だけ内見することにした。物件まではお姉さんの運転で向かうことになった。移動中、タクシー運転手から仕入れたばかりの茨城交通事情をお姉さんに話すと「ミニバン・エスティマには気をつけた方が良い」と要注意車種まで教えてくれた。お姉さんは運転をしながら息子の名前を呼びかけ、停車中は可愛い、可愛い!と言いながら拍手をして息子をあやしていた。「もうこんな時期すっかり忘れちゃいました」と言うお姉さんにお子さんの年齢を聞くと「今中学生で」と返答。まさか中学生のいるお母さんだとは思わず驚いていると「21の時に産みましたー」と朗かにお姉さんは答えていた。お姉さんの安心感は母として10数年の貫禄から滲み出たものなのだろう。読み通りお姉さんは私と同世代だったけど、母としては10年以上先輩であった。

そんなお姉さんは途中道に迷い同じ道をぐるぐる回りながらも我々のことを希望の物件まで案内してくれた。内見した物件は靴箱もあり、網戸もあり、中野の今の家よりも機能的で申しぶんなかった。それなのに家賃は今の家より安い。良い物件だった。

帰り道。お姉さんは周辺環境を簡単に案内しながら、我々をつくば駅まで送ってくれて解散となった。最後までお姉さんの笑顔は素敵だった。マスクで半分顔が見えなかったが、そう思った。次引っ越すときもお姉さんとエイブルを頼ろうと思う。

帰宅後に夫と話し合いをしたところ、とりわけ悪い点が見つからなかったという理由からお姉さんが紹介してくれた物件に決めることにし、内見の翌日にはメールと電話で契約がはじまった。こんなに早くつくばに引っ越すことになるとは思わず、私はカタカタと震えた。

団地妻にはなれなかったが、私は近日つくばのマンションに引っ越すことになった。当面の目標は運転免許を取得して、ミニバンとエスティマに気をつけながらつくばの街を運転できるようになることである。

 

 

オススメの歯磨き粉はなんですか

私が1番多くされる質問「オススメの歯磨き粉は何ですか」という質問。

私の血液型でも誕生日でもスリーサイズでもなく断トツで歯磨き粉のことをよく聞かれるのは、私のイメージが歯なんだと嬉しくも少し悲しくも思うのだがとにかく歯磨き粉のことをよく聞かれる。そしてだいたいその答えに対して「歯磨き粉より歯ブラシをこだわった方がいいですよ」と言ってうんちくを垂れ始めるのがおきまりなんだけど、最近、そもそもなんでオススメの歯磨き粉を知りたいのか聞いていなかったなと思い返す。

おすすめの歯磨き粉を知りたい理由は、たぶん現状より口内環境を良くしたいというぼんやりとした答えが多いんじゃないかなと思う。もう少しピンポイントなところだとムシ歯予防とか口臭が気になるからとかそんな感じだと思うけど、それら全ての理由でまず自宅でやるべきことは、できる限り口の中の歯垢を取って細菌の数を減らすことで、それには歯ブラシとかフロスで取る方法が最も効果的だと言われている。現在の化学では歯磨き粉でニュルニュルと歯垢が取れたりはしないからだ。

新しい歯ブラシを開けて歯磨き粉をつけないで1本1本の歯を鏡を見ながら丁寧に磨いてフロスをしっかりかけると驚くほど口の中がさっぱりする。歯磨き粉の力ではつるつるの歯が手に入らないことを実感できると思う。(つるつるにならない人はヤニや茶渋や歯石がついているので歯医者に行った方が良い)

「わかりました。じゃあオススメの歯ブラシなんですか」と聞きたくなった人がもしかしたらいるかもしれないので、そんな人には読んでほしい記事があるので貼ります。わかりやすい!

kakakumag.com

 

ところがオススメの良い歯ブラシを買ったとしても、いつまでも大事に使っていてはいけない。良い歯ブラシも1ヶ月もすれば消耗してろくに磨けない歯ブラシに変わってしまうからだ。

先日たまたまローランドのモーニングルーティンを見ていたら、ローランドはホテルなどに置いてあるような歯ブラシを使い捨てしていることを知った。「1度口に入れたものをまた入れたくない」というようなことを本人は言っていたのだけど、確かに一理あるなと思って見ていた。衛生的な観点だけではなく、新しい歯ブラシはよく磨けるからだ。でもローランドは多分全部の歯をフルクラウン(歯を削って冠せる治療法)で治していると思うから使い捨て歯ブラシだと毛が硬くてマージン(歯と冠せ物の境目)に毛先が当たらず、そこに歯垢が溜まって歯肉炎を起こしてそうだなと思って心配している。お金持ちだからもっと良い歯ブラシを使い捨てれば良いと思うけど、環境によくないからせめて1週間使ってもらうのはどうだろうか。それより使用済み歯ブラシが土に帰れば良いのか?などとローランドの歯と環境問題について悩ましく思っている。(ちなみに土に帰るフロスはあります)


ローランドのモーニングルーティン | Morning Routine of ROLAND

 

少々脱線してしまったが、なぜみんな歯ブラシやフロスより歯磨き粉のことが気になるんだろうと考えていたらあることを思い出した。

 

もう今は無いのだけど「FLOSS OR DIE」というサイトがあった。

このサイトは「国民にフロスと歯の予防に関心を持ってもらい、医療費の削減に寄与する」ことを目的とした非常に崇高でインテリジェンスなフロスの情報サイトだったのだけど、月々のサイトの運営費でパンを買いたくなってしまった主の意向で数年前に閉鎖されてしまった。その崇高なサイトの管理人が私であった。

 4、5年前の直向きにフロスの記事を書いていた頃。より信憑性があり国民の皆さまに積極的且つ安心してフロスを使ってもらえるようなサイトにするためにフロスの論文を探している時期があったのだが、論文を探す大事な理由はもう一つあった。

当時私は右も左もわからずサイトの活動をしており、もし「勝手なことをブツブツ言いやがって...医学的根拠だせこらぁ!」というようなことを言ってくる熱心な人がいたらどうしようかと怯えていた。この時、横の繋がりもないしインターネット界のケツ持ちみたいな頼りもなかったため、フロスの論文があればもうちょっと私の立場も強くなるのではないかと思ったのであった。

しかしインターネットで検索しても歯科大学の図書館に行って探しても、フロスの有効性を示す論文は見つからなかった。

ある日。職場の掲示板にとあるセミナーのお知らせが貼り付けられていた。そのセミナーは東京歯科大学の教授であり某大手企業が運営する歯科医院の病院長でもある先生の講義であった。フッ化物の応用と根面う蝕についてとの内容で、休日3日間の開催で参加費が5万円ほどであった。決して安い講習会ではなかったが、衛生学に長けた教授だし動物マークの企業の病院長だし、フロスの論文を知っているかもしれない。これで国民の皆さまとインターネットのチンピラに怯える私への安心が手に入るのなら5万円を払う価値があるかもなぁ!と思い、5万円を払って一人講習会に参加したのだった。

3日間の講習が終了し、さよならと参加者が続々と退出していく中私は片付けをしている教授に近寄り今回の大本題である問いを投げかけた。

「教授、私はホームケアにおいてフロスがとても大切だと思っているのですが、フロスの論文を教授はご存知でしょうか」

思い切って聞いたものの講義と関係のない話題をしたために教授が気を悪くしたらどうしようかと少し怯んでいると、教授は片付けの手を止めてわたしの方を見てこう言った。

「実は、ないんですよ」

教授は少し悲しそうな顔をしながら話を続けた。

「僕もフロスはとても大切だと思っています。みんなに是非使ってもらいたい。とても大事です。でもフロスがホームケアにおいて有効だという論文はないんですよ」

「な...なんでですか教授!」

あの時の衝撃は忘れない。我らがフロスの医学的根拠がないなんておかしい。フロスを定期的に行っている人の口腔内は見ればそれがわかるほど良好な状態であると私は臨床経験からヒシヒシと感じている。それなのに裏付けがないとはどういうことだろう。

落胆する私に教授は、教授のお人柄が滲み出たような優しい口調でゆっくり教えてくれた。

「お金にならないことは研究されないんですよ」

お金にならないことは研究されない。お金にならないことは研究されない。

お金にならずに研究されないことに5万円を投じてやってきた私は膝から崩れ落ちた。

その後、教授とLIONから出ているウルトラフロスという商品はいいですよねという話をしてその場を失礼した。

 

この時わかったことはどんなに良いことだとしても、お金にならないことは明るみに出ないということを知った。これが私の5万円の収穫であった。「医学的根拠だせこらぁ」とチンピラに言われても「なし」で乗り切るしかないことを知ったのだった。

フロスは本当に便利で、機能的で衛生的でコスパの良い道具だ。自信を持って言い切れる。

日本人がフロスを使うようになれば、口の病気の罹患率は減り医療費の削減ができると本気で思っている。お金にならないかもしれないけど、余計な税金を減らすことができることは意義のあることだと思う。

だけど世の中は歯磨き粉の論文は積極的に作って歯磨き粉のCMばかりを流す。歯磨き粉が大事というよりは歯磨き粉がお金になるからかもしれない。(もちろん歯磨き粉は大事だけど、歯磨き粉の前にもっとやるべきことがあると思う)

そうして国民の皆さんが歯磨き粉に無意識に意識がいくようになっているのかもしれない。

母は歯磨き粉では口臭が抑えられないことを何度か説明しても「このなた豆の歯磨き粉は口臭予防になるだろうか?」となた豆の歯磨き粉を買ってきていた。

 

歯磨き粉の市場を作っているのは歯磨き粉が売れるからなのだろうか、歯磨き粉が売れるように仕向けられているからなのだろうか、それはわからない。

 

 

 

悩ましい

もうすぐ1歳を迎える息子は掴まり立ちに勤しみ、動物に喜び、絵本に興味を持ち始めた。しかし食への関心が低くパンを嫌い、ひき肉を敵視し、よく食べ物を残す。そこそこ食べた日にはエラーイ!テンサーイ!と親バカでただのバカな母親が拍手をして喜んでいたら「拍手はご馳走さまの合図」と息子が解釈をしてしまった様で、食べるのが嫌になるとパチパチと勝手に手を叩き食の時間を終了させようとするようになってしまった。

しかし食べ物に関心がなく食が細い割に彼はとても豊満な体をしている。それは多分おっぱいの恩恵によるところが大きい。授乳の回数がなかなか減らない。そろそろ早い子だと卒乳もする子もいるのだが、全くそのような様子は見受けられない。食の関心はないがおっぱいの執着はすごい。食べ物を自ら手に取り食べることはしないのに、乳が欲しい時には母にしがみつきTシャツを引っ張り頭突きをされる。この時期は好きなだけあげて良いというからそれに従っているが、このまま素直に彼の意に従っていいのだろうかと悩ましく思うこともある。どう見てもただ口さみしいとかちょっとイッパイやっときましょうかみたいなノリの時があるからだ。

小児歯科のガイドラインによると授乳は1歳半を目安に卒乳させることを促している。歯科的な観点からすると、授乳をしなくても食事で栄養を補うことができること、また夜間の授乳はむし歯の原因になり得ることからそう指示されるのだが、息子があと半年で卒乳できる気もしないし、夜泣きをして乳を差し出さずに対応できる自信もない。息子もそうだが私自身も自分の乳に非常に依存をしている。私が育てたわけでもなく乳が息子を育てたと言っても過言ではない。世の大人がおっぱいに関心があるのもこれだけ世話になってればそうですよねと納得してしまう。

依存から脱却できないからという理由だけではなく、もう一つ興味深いことがある。それは授乳が口蓋の発達に寄与するという説でこれは矯正科の先生が語っていることが多いのだが、中には2歳くらいまで飲ませていた方が歯並びの良い子に育つと提言している先生もいる。私の子育ての目標の一つに歯並びの良い子に育てるということを掲げているので、その先生の言うことが誠ならばもうじゃんじゃんあげますよバンザーイと両手を挙げて喜んでいたのだが、しかしその根拠を決定づけるエビデンスを今現在見つけることができていないのでバンザイの手を下げた。エビデンスを重視するわけではないがエビデンスは大事である。もちろん臨床での経験も非常に需要で、現場で体感した知識や経験が最もだということもある。

職場では子供が全く来院しない環境で働いていたため乳幼児の歯科知識が本当に乏しくて、恥ずかしい話自分の子供の歯がどっからいつ頃から生えてくるのかもついこのあいだ知ったレベルである。一応歯科衛生の専門家として10年以上働いてきたのにまるでわかっていないのだから、多くのお父さんお母さんが子供の口のことで疑問だらけで謎だらけであるのではと感じている。

それなのにも関わらず、相談した先生の見識によってさっさと卒乳を促されたり2歳まで吸わせましょうよと言われれば困惑するだろう。歯科衛生士の友人は1歳を満たないうちに卒乳させた子もおり、それを誇らしいことのように話ていた。もちろんお母さんも赤ちゃんも頑張ったのだから誇らしいことだが、何でその選択をしたのかということを自分の中で持っておくことが大事なことのように思う。

 次また歯科業界で働くならば子供の歯に関わる仕事がいいと思っている。歯の健康を考えた時にいかに早いうちから歯の健康意識に目を向けるかが大事ということを10年でヒシヒシと感じてきたので、子供から親もついでにお爺さんもお婆さんも巻き込んで支援できたらいいなとぼんやり思っている。歯石を取るのも何かをこねたりするのも苦手なので、個人の歯の健康維持について語ってお金がもらえたら嬉しいな。

 

退職した

仕事を辞めることにした。

復帰後に常勤ではなく週2回のパートタイマーでの勤務を求められたのでそれに従って働こうと思っていたのだけど、コロナウィルスのために復帰予定は延長。そして今月緊急事態宣言は解除されるのだけど、解除されたからといって終息したわけでもないし、また緊急事態宣言が発令されれば仕事を休まなければならないなどなど、様々な問題を抱えながら働く意味がちょっと見出せなくなってきたので退職をすることを決意し連絡をした。育休をもらっておいて辞めるという選択は肩身が狭い気持ちもあったのだけど「コロナのため」という言葉を付け足すことによりその思いは薄まり、思い切ってやめます!と堂々と言うことができた。職場の人も「しょうがないよね」と言って本当にあっさり退職へと話を進めてくれた。もしかしたら退職を望まれていたんじゃないかと思う節もあるのだがなにわともあれ円満に退職できそうでホッとしている。

退職を希望した理由は他にもあった。引越しをしたいからである。私は東京が好きで今住んでいる街も本当に気に入っている。新宿までバスで10分、歩いて初台や幡ヶ谷にも遊びにいけるしどこへ行くにも利便性が良い。病院もたくさんあるし近所にはスーパーや八百屋、薬局もゴロゴロしているし、気分に合わせて周辺の公園に出かけることができる。道ゆく人は愛想よく、よく息子に話ししかけてくれるし、いい街だと心から思っている。が、家賃が高い。夫はしばらく在宅になりそうなのでもうちょっと仕事に専念できる環境が欲しいし、子供ものびのびと遊べる部屋が欲しいとなるともっと広い家に引っ越したい。けど東京は家賃が高いので、地方に引越そうかと持っている。

候補はつくばか春日部だ。春日部は埼玉の実家に比較的近いし何かと便利でいいのでは?という提案のもと春日部が浮上しているのだけど、私は埼玉出身埼玉嫌いで埼玉に住みたいと本当に思えないので春日部案はたぶんボツになると思う。春日部には悪いが何も魅力を感じない。埼玉ならば秩父とかもういっそ山の彼方ならアリだけど大好きな東京のアクセスが悪いので秩父もだめだ。埼玉はだめだ!

一方つくば、つくばはいい。秋葉原まで45分のつくばエクスプレスが頼りになる。つくばはパン屋とラーメンの激戦区。店員がみんな海老蔵みたいなイケメンパン屋だってある。道路沿いには髪の毛を高く盛ったギャルの店員さんがいる美味しい焼肉屋さんがある。前に行ったときギャルが可愛すぎて一緒に写真を撮ってもらったことがある。しかもその焼肉屋、キャバクラと癒着していてメニューの裏にキャバクラまでの地図が載っているのだ。もしかしたら髪の毛を高く盛ったお姉さんも焼肉屋の店員兼華麗なる夜の蝶だったのかもしれない。キャバ嬢が接客する美味しい焼肉屋なんてつくばにしかないと思う。さらに茨城には山も海も湖もあるから筑波山に登山にいって、夏は大洗の海へいこう。おっとつくばわんわんランドも忘れちゃいけない。息子はわんわんが大好きだから...秋には筑波大学の学園内に栗が落ちているから栗を拾おう。病院もいっぱいあるし歯医者もいっぱいあるから職に困らない。ちなみに私の退職した歯科医院とつくばのゴリラ歯科のパートの時給が一緒でゴリラ歯科に勤めようかと本気で思っている。先生がゴリラみたいな顔だから多分ゴリラ歯科って言うんだと思うんだけど、もし本当にそうだったら私はここの医院長と気が合うと思ってる。つくばは勉学にも熱心で姉の知り合いの子供は小学校で英語が話せなくていじめにあったらしい。それくらい勉学に熱心らしい。教育にも安心なつくばを誇りに思おう。

ということで私は魅力度ランキングワースト1の茨城県つくば市に住みたいと思っている。

 

 

近所の肉屋の話

近所の商店街に安くて狭い肉屋がある。存在は随分前から知っていたけれど店相というのだろうか、なんとなく店から負のオーラが出ているというか、なんとなく近寄りがたく、とにかく店相が悪い。日本一安いという手書きの張り紙は大げさだし、賞味期限切れの水をサービスで配っているし、安かろう悪かろうだな。あの店はきっとそういうことだと判断し、安くて狭い肉屋を避けてきた。

私はサミットが好きで、サミットの生鮮食品には絶大の信頼を寄せている。だけどサミットは少々高いので、スマホにアプリをインストールし、店舗に置いてある広告を持ち帰りサミット情報を入念にチェックしていた。そうして安い肉の日は目を血走せながらサミットまで駆け足で向かい、少しまとめ買いして冷凍して調理していた。

ところが事件は起きた。聖地であるサミットがコロナウィルスの騒ぎと比例して人が殺到するようになった。レジは大行列を作り店内は人でギュウギュウ、なのに風通しが悪い。三つも四つも密が重なりあっているような状態に私は危機感を感じた。聖地がヤバイ。もうここにはしばらくこないようにしよう。私は大好きなサミットとしばしお別れをすることを決めた。

しかし食料は調達しなければならない。幸いサミットとお別れしても少しだけ足を伸ばせば近所に商店街があり、八百屋も魚屋もそして店相の悪い肉屋もある。小さな商店街の店々は人が殺到することもなかったため、買い物の拠点をこちらに移すことにした。

そんなこともあったため、店相が悪く近寄らなかった肉屋にも入ってみることにした。導線がコの字になっている店内に入り私は瞬足で震えた。「国産豚バラブロックが400グラムが350円だと?」驚異の安さに目が点になった。サミットならば1000円超えである国産豚バラブロック400グラムが350円。しかも美味しそうだ。是非とも角煮にしたい。ちなみにこの店は導線がコの字で極狭なので引き返すことはできない。それが意味することそれは回転寿司。つまり直感でビビットきたものは取らないと後悔する仕組みになっているのだ。

鶏肉も豚肉もひき肉もサミットよりも安い。安い安い美味しそう。ちょっと偵察で入ったのに次から次へと目に飛び込んでくる肉に感動し、トレーが私の手元で高く積み上がってしまい胸の鼓動とは裏腹に足取りは減速した。ゆっくりゆっくりほぼ1方通行の店内を歩き、コの字の終点に設置されたレジに肉の入ったトレーを積み上げた。ピッピッと軽快なリズムで会計され、その後店長と思われるレジのおじさんが速やかに袋詰めし、大きな袋を手渡され店内を出た。

自宅に帰ってから買った肉を簡単に下味をつけ冷凍作業をした。そして改めてわかった。いい肉だということを。「いい肉じゃんか...」店内で手にとった時もなかなかいい肉だとは思っていたけれど、いざラップを外しトレーから出した肉をまじまじとみると改めていい肉であった。これはいい体してるであろうと予測はしていたけれど脱いだら想像以上だったラッキーboyの気持ちと多分同じだろう。そんなことをふと思いながら私はいい肉に菊正宗を振った。

 それからというもの私は週末になると自転車を飛ばして店相の悪い肉屋に出かけるようになった。常に驚異の安さ豚バラブロックは350円で売られており、週末角煮ばかり作っていたら、夫から次の角煮は半年先にして欲しいとやんわりクレームが入ったため、角煮ではなく豚バラ肉のカレーなどを作って楽しんでいた。店はこの安さであるからまぁまぁ人が入っていて、いつも店長と思われるレジのおじさんは忙しそうにしていた。

先週、店を訪れると珍しくお客はおらず店内はガランとしていた。いつものようにたくさんの肉を手に取ってコの字の終盤に設置されたレジに向い、いつものようにピッピと手際よくおじさんがレジをしてくれた。私はそんなおじさんを見ていたら胸が熱くなり気がついた時にはおじさんに声をかけていた。

「あの、ここのお肉は安くて美味しくて助かってます」

自分でもびっくりした。店相が悪いと毛嫌いしていた肉屋に「助かります!美味しい!」なんていう日がきたことに。

おじさんはというと、突然感謝を述べる客に驚いた様子で一瞬機敏な動きを止めた。そして

「ありがとうございます。わかってもらえて嬉しいです」

と俯きながらだけど口元には笑みを浮かべ、そうしていつものように手際よく会計済みの商品をどさどさ袋に詰め私に手渡し

「出口のところに置いてある水、何本でも持っていっていいですからね!」

と、大きな声で言い私のことを見送ってくれた。

わかってもらえて嬉しい。

おじさんもはこんなに安くて美味しいのにそれにしては人が来ない..と悩んでいたのだろうか。それとも私が店相が悪いと近づかなかったことをなんとなく感じ取っていたのだろうか。真相はわからないけど、ちょっとおじさんは嬉しそうだったのでうっかりではあったけど話しかけてみてよかったし、この店が美味しくて安いことに気がついてよかった。また来週も肉屋に来よう。

そんなことを思いながら私は出口のところに積まれた賞味期限切れの水の前を素通りした。

 

労働を考える

10年間正社員として頑張ってきた職場は育児休業あけにはパートタイマーとして復帰することが決まった。本当は正社員のまま時短勤務を希望していたのだが、職場はそれに応じることが難しく週に数回のパート勤務となった。そんな矢先コロナウィルスが世界的に大流行しまともに働くことができない環境は世の中にも広まった。

夫は在宅勤務になった。うさぎ小屋のような小さな家でうさぎのように身を寄せ合って暮らしている我が家族。そんな我が家に夫が仕事をするようなスペースはなかった。デスクと椅子が必要という夫にさてどこにそんな置き場なんてありますか?と反論する妻私。子供は掴まり立ちやハイハイに勤しむ今日この頃。なるべく物を最小限にし事故防止の環境を整えてあげたいと思っている。が、夫がしっかり仕事に取り組めないのも困ってしまう。話し合いの結果、座椅子を購入しデスクは食事用のちゃぶ台でなんとか頑張ってもらうことに。家の家具をテトリスのように移動し、ベット横のスペース2.5畳程度に座椅子とちゃぶ台を敷き詰めワークスペースを確保。こうして我が家にもなんとかワークスペースを設けることができコロナウィルスと社会に立ち向かう環境を整えることに成功した。ワークスペースがキッズスペースの4分の1くらいしかないが、漫喫みたいでいい感じである。朝のテレビでパックンがニューヨークでは在宅ワークをするスペースがないことが問題、でも皆工夫を凝らして頑張っている。と言った後に頑張っているニューヨーカーの様子をVTRと共に紹介していた。アイロン台でデスクワーク、トイレでデスクワーク、風呂場でデスクワーク。みんな工夫して頑張っているとパックンは笑顔で言っていた。うちもニューヨーカーと一緒だね。私もパックンに続いて笑顔を見せるが、夫は笑ってはいなかった。

 パートタイマーとなった私は、働くことについて考えることが増えた。別に好きでなったわけでもない歯科衛生士の仕事をこのまま続けていくべきなのだろうか。辞めてディスクユニオンで働くことを考えついた時にはすごく楽しい気持ちになり「ディスクユニオンで働くの、いいかも〜」とディスクユニオンで働く自分を想像してみた日も多いにあった。が、私は曲名や歌手名を覚えるのがすこぶる苦手である。私の好きなアーティストMndsgnは何回覚えても読み方がわからなくなり曲のタイトルは1曲も覚えていない。ヨ・ラ・テンゴは何回覚えてもヨ・コランデが邪魔をしてくるし、バーバルをバーバラだと思っていてバカにされた。そんな私に果たして店員は務まるのだろうか。「すみません、〇〇の〇〇ってどこにありますか?」「すみません、ちょっとよくわからないんで歌ってもらっていいですか?」たぶん客とこのやりとりを100万回すると思う。そんな店員を客とディスクユニオンは温かい目で見守ってくれるのだろうか。

私は音楽が好きだ。毎日音楽を聴いている。でも詳しくはないし知っていても曲名がわかならない。これまで音楽が好きだと言った相手に、これも知らないの?あれも知らないの?と言われ呆れられきた。知らないよだって曲名が覚えられないんだから。でもそもそも音楽の好きは知識の量ではかるものなのだろうか。私は私で音楽と向き合って好きだと思ってんだからほっておいてよ。と思っていたが果たしてディスクユニオンでこれは通じるのだろうか。いやあんた曲名くらいちゃんと覚えなさいよと言われて徹夜をして曲名を覚えなければいけなくなった時に、私は音楽を好きでいられるのだろうか。ディスクユニオンで働くことが嫌にならないだろうか。じゃあ今まで通り私が向き合ってきた音楽を糧に就労したときに、私は客に何が提供できるのだろう。そう考えると、私がディスクユニオンで働くことは今まで通り心の中の希望としてしまっておいた方がいいのではないか、という結論に至った。たぶん。わからないけど。

それと今回のコロナウィルスの影響を受けて、やっぱり私もきちんと収入を得られるようにしておくべきだと実感している。生活を守るためにはお金が必要で、夫の稼ぎが少なくなったときに自分も頑張って家計に貢献できる状態は作っておきたい。それにもし離婚することになったときは親権は獲得したいので、経済力がやっぱり私には必要なのである。そうなるとでディスクユニオンのバイトでは不安だし、歯科衛生の仕事で生計を立てられるよう努力することが自分にはあっているのではないだろうか。歯科衛生士は好きな仕事ではないが、私は白い歯が好きだし、歯のマンガも好きだし、そうやって落とし所を見出して、心地よい生活を維持するために労働することが私にはお似合いなのかもしれない。

 

お母さん情報

四月後半の復職に向けて我が家の生活様式は変化した。

息子は保育園が始まった。預けることに不安を感じていたものの、一度もお預けの際に泣くことはなく、それどころか自らハイハイをしながらお部屋に入っていくほどであった。先生との連絡帳のやりとりの中でも楽しそうに過ごしている様子が伺えホッとする一面もあったが、世界的な感染症が流行しているのに果たしてこのまま預けていていいのだろうかという思いは拭えきれなかった。が、〇〇くんお母さん情報によるとコロナウィルス騒動で5月までの職場復帰を6月まで延長することが可能になったとの旨を聞き、役所に問い合わせをするとこに。その結果育児休暇を延長すればそれが可能とのことだったので、速やかに職場に連絡をして育休延長をお願いした。息子は5月末まで保育園を休園し、自宅で見れることとなった。

〇〇くんお母さん情報がなければ、私は抱える不安を見ないふりしてお預けすることを続けていたので、ちょっとでも不安があれば役所に問い合わせるべしと学んだ。

あとお母さんネットワークっていうのはすごい。〇〇ちゃんお母さんに「あの角の店、ベビー用品が100円でしたよ!」と教えてもらい行ってみることに。まず店内が三密でないことを確認して入店。入って奥の棚のカゴに1000〜2000円くらいしそうなおもちゃやらスタイやらタッチ転倒防止の背負わせるハチなどが100円で売っており蚊の鳴くような声で「おっしゃー」と言い物色。息子用のおもちゃとよだれかけを購入しレジに持っていくと「200円です。あとこれ、手作りのマスクなんですけど...よかったらどうぞ!」とたった200円の買い物に今入手困難であるマスクを今高嶺の花であるマスクを付けてくれたのであります。お母さんは驚きました。腹の底から「いいんですか???」と言ってマスクの下で満面の笑みを覗かせました。

満足げに店を出た後、子供のお迎えギリギリであることに気づいて猛スピードで走っていると〇〇くんお母さんと遭遇。「え?さとみこんこんお母さん、もしかしてあの角に住んでんですか?」「いや違いますよ、あそこに店があってベビー用品とか100円で売ってて、えっとこのおもちゃとこのスタイも100円で、しかもですよ?手作りのマスクまで付けてくれるんですよ!!」「えー私も行きます!」「是非是非!あの角にありますから」

翌日「〇〇くんお母さんおはようございます」「あ!さとみこんこんお母さんおはようございます、あの、昨日行ってきました」「あー!行きましたか、わかりましたか?100円のコーナー」「わかりましたわかりました、あの店他にも色々ベビー用品あるじゃないですか?あれもいいこれもいいで結局8000円くらい買ってて...」「え?やばくないですか」「やばいですよねちょっと寄って8000円って...」「マスクもらいました?」「もらいましたもらいました!しかもなんかあそこの店員さん意外じゃなかったですか。その...」「あ、なんか筋肉質のおじさんですよね」「そうなんですそうなんです!ベビー用品店なのに筋肉質のおじさん(笑)」

 

役所とお母さん情報は重要であります。